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2020.11.13 Fri

ピンチは4コマ漫画で笑い飛ばしていこう!

福岡県の中学校にお勤めの辻さやか先生へのインタビュー。

福岡県の今年度のあゆみ。

小田:本日はよろしくお願いします。辻先生は福岡県の中学校にお勤めとのこと、福岡県と言えば、以前、福岡教育大学附属福岡小学校様のオンライン講座に潜入させていただき、その取り組みの活発さを体感したところですが、福岡県の先生にインタビューをさせていただくのは初めてになります。まずは、辻先生のお勤めの学校の今年度のあゆみから教えてください。

辻先生:私は福岡県の中学校で3年の担任をしているのですが、私の学校の2月末から5月までのあゆみについては、こちらで紹介させてください。

 こんな5月までを過ごしてから、分散登校が5月下旬に始まりました。その後、入学式をはさんだ1~2週間後に一斉登校になりましたが、しばらくは午前授業、40分×5コマのスケジュールでした。その間は毎日5教科の授業を行いました。給食が再開した頃からは、1日の時間割が「5教科+技能教科4教科のうち1つ」となり、技能教科は非常に時間数が少なくなってしまいました。
 6月中旬からは40分×7コマになり、ようやく10月から通常の50分×6コマに戻ったという流れになります。

小田:通常の時間割に戻ったのは本当に最近のことなのですね。授業がそこまで絞られるとなると、総合等の授業もなかなか難しかったのではないでしょうか。

辻先生:そうですね。道徳・総合・学活もすべてなくなってしまいました。学校行事についても、体育祭や合唱コンクール、中総体、中文連をはじめ、1年生の自然教室や2年生の職場体験が中止になってしまいました。

小田:修学旅行はいかがでしょうか。

辻先生:今年は、内容は縮小し、来月1泊2日で近隣の県に行くことになっています。また、余談ですが、来年度の修学旅行の旅館も決まっているのですが、その旅館がコロナの影響で経営難になっていることを知りました。

小田:コロナの経済打撃を感じずにはいられません……。

辻先生:体育祭は学年ごとに行い、種目もリレー競技と大縄跳びのみの縮小版で実施しました。

小田:辻先生は学校での日々の出来事をイラストにまとめていらっしゃり、それをオンラインで拝見したことから私は先生のファンになってしまったのですが、体育祭についてのイラストも、思わず笑ってしまいました……。

今を大切に生きる子どもたち。

小田:先生がお書きになられたいくつものイラストのうち、例えば、「Air体育祭」や「運天席替え」など、今の状況だからこそ子どもたちが始めた興味深い取り組みがあったと感じています。イラストの中にいる子どもたちに思いを馳せると、良い面ばかりではない今の現状に対しても、なにか楽しもうという意欲も感じます。

辻先生:今の生徒たちは学校で、仲間がいるから楽しめる1つ1つの小さなことを大事にしているように感じます。例えば、今は班活動が禁止されているので、みんなで考え、議論する取り組みができない状況にあります。子どもたちは、班活動ができないのであれば、自分たちで本当に必要だと思う係を作りたいと発案し、Chrome Bookを活用して学校であってほしい係を募集し、振り分けなども行っています。これはいまの学級組織にも活かされていますし、こういったことができるのも、子どもたちが1つ1つのことを大事にしているためかと思います。

 他にも、先ほど話に出ていた「運天席替え」ですが、これも子どもたちからの発案で、月に1回、雨の日に運を天に任せて(=くじ引き)行う席替えです。担任の立場としては、班活動ができなくなったこともあり、しゃべったことがない人がいる状態で卒業してほしくないという願いから、隣になった人とは必ずお話しするように伝えています。「みんなが席替えをしたいという気持ちと、先生がみんなで話してほしいという気持ちは一緒やけんね」という風に話しましたね。

小田:係の募集等は子どもたちがChrome BookでGoogleフォームを使っていたとのこと、子どもたちはChrome Bookなどの新しい機器と主体的な関係性を築けている状況でしょうか。

辻先生:Chrome Bookが導入されたとき、面白そうだったので、まずはクラスルームをつくり、私がGoogleフォームを使って子どもたちにテスト問題や「中学校オタク検定」を毎日配信してみました。そうしたら、次は子どもから「先生、これってこんなんにも使えるんじゃないですか?」と声が上がるようになりました。「うん、そうだね~」なんて言っていると、「作っておきますよ」と色々と調べながら自分たちで活用してくれるようになったんです。担任が面白がって使っていると、子どもたちがクリエイティヴに使ってくるというような感じです。

小田:辻先生自らがChrome Bookなどの新しい機器にポジティブに向き合って活用されていたことが、子どもたちの「こんなんにも使えそう」につながっていったように思います。僕もそうですが、新しい機器がなくともこれまでは授業ができていたわけで、そもそもの機器の使い方という授業以前の基本情報をインプットするのが苦手な先生も全国には少なくないのではないかと思います。そう思っていたところ、辻先生のこの4コマ漫画を見てびっくりしました。

辻先生:私の学校では、12月12日(土)の授業をオンラインですることが決まりました。そのため、今は生徒に端末を持ち帰らせて接続を確認したり、教科ごとにクラスルームを作成したりして準備をしているところです。実施に向けた教員同士の研修も進めています。結果的にではありますが、そういったChrome Bookの使い方に関する研修などを通して、教員同士の連携がさらに濃密になってきたような気はしています。

不登校支援と教員の負担削減をかなえるオンライン活用。

小田:コロナ禍の中、色々と生活様式が変わっていく中で、不登校が増えたと言う話も耳にします。辻先生の学校ではいかがでしょうか。

辻先生:私の学校でも不登校は増えてしまいました。でもそれは見方を変えると、生徒たちは学校に行かなくても勉強できる術を知ったためとも考えています。なので、今、私たちとしては「不登校ゼロ」よりも、多様な価値観を認めて学力保障していこうと前向きに捉えています。
 実際の取り組みとしては、不登校で教室に入れない生徒は、不登校支援のためのステップルームという別室で、教室からのオンライン中継で授業を受けることができるシステムを取り入れています。この取り組みについては生徒たちも協力的で、教室に入って「今日○○君オンラインです」というと、パッと机をよけてオンライン中継のセッティングをしてくれるんです。また私が板書をしていると「先生、そこはカメラに映らないのでもう少し中側にお願いします」とか教えてくれたりもします。生徒たち自身が、教室に来られない生徒に配慮してくれているのでとても助かっています。

小田:それは素晴らしい取り組みですね。言葉としては不登校となってしまいますが、自分の実情に合わせた参加方法を選択しているともいえるので、そうした多様な子どもを認め、それぞれの立場から自分が今できることを意識して、今までになかった学級意識が期待されるようにも感じます。反面、準備などの先生方の負担はかなり大きくなってしまうのではないでしょうか。

辻先生:この取り組みは、元々は教員の負担軽減のためでもありました。それまでは、教室に来られない生徒のために、先生が都度ステップルームに授業プリントを持っていってもう一度同じ授業を実施していました。ただ、やはりこれだと教員の負担が大きくなってしまうので、オンラインで授業を中継するというシステムを実施してみたという経緯があります。
 実際には色々な意見もありました。板書を中継しただけで理解できるか等。でもまずはできるところからやってみましょうというスタンスで始め、今に至ります。

4コマ漫画がセルフマネジメント。

小田:今日の記事中にも、たくさん辻先生のイラストをご紹介されていますが、その内容を拝見する限り、本当にお忙しく、葛藤の場面も推察していました。辻先生ご自身のストレスケアやセルフマネジメントについて教えてください。

辻先生:私は今まで研修担当をしていた関係で、特に2学期は研究発表の準備や出張が多く、論文執筆などで忙しさを感じていました。それがこのコロナによって軽減され、ある意味時間が空きました。そこで始めたのが絵を描くことです。1学期は絵日記のようにFacebookで発信していたのですが、2学期は4コマ漫画にしてみたら面白いかなと思い今の形になりました。せっかく始めたことなので継続してみようと思い、今は週2、3本のペースで投稿しています。結果的にそれがストレスケアにつながっていると感じています。

小田:先生の4コマ漫画には、私も日々癒されています(笑)先生の描く4コマ漫画は、単純に日々の気づきを描いているだけでなく、全国の先生方へ伝えたい思いなども感じられるところが「いいな~」と思います。

辻先生:元々FacebookとTwitterの両方を見ていたのですが、Facebookはどちらかというとプラスなことを発信していることが多く、逆にTwitterだとマイナスな発言をしていることが多いような気がしました。でもそれはある意味、Facebookは建前でTwitterは本音を言っているのかなとも思います。でも、Facebookでも本音を言いたいと思っている人もいるんじゃないかなと思い、また言葉だとただの愚痴になってしまうので、絵や漫画にして笑い飛ばしてくれたらいいなと思って(笑)そういう想いが詰まったのが4コマ漫画です。

小田:なんだか、また1つ、辻先生の魅力に触れることができた思いです。今のお話しを聞いて、「笑えるんだけれどもリアル」というあの絶妙な世界観が腑に落ちました。

辻先生:今では、校長も私の漫画を見てくれていて、「辻先生の漫画、職員にも配ったら?」とも言ってくださっています。

小田:教員の発信を受け止め、活用したいと声掛けくださる校長先生、素敵ですね。

全国の先生方へのメッセージ

小田:最後に全国の先生方へメッセージをぜひお願いします。

辻先生:私はいつも「ピンチはチャンス」と思っています。このコロナ禍でのピンチは、子どもたちにとっても先生にとっても何か変わるチャンスと感じています。「日本の教育は何か変わらなきゃいけない」とみんな感じていると思いますが、そんな中、やっと変わるチャンスが来たんだと思います。今を頑張って乗り越えたら、来年・再来年またその先は楽になるのではないでしょうか。苦しい時は、辻の漫画でも見て笑ってくれればと思います。

小田:辻先生、本日はありがとうございました。

話し手

辻さやか先生 … 福岡県内の中学校教諭。3年生担任。
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聞き手

小田直弥 … NPO法人東京学芸大こども未来研究所専門研究員。

ライター

福島達朗 … NPO法人みんなのことば事務局長、部活動指導員(渋谷区, 吹奏楽)、フリーランスのステージマネージャー

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