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2021.04.30 Fri

専門家の力も借りて取り組む、ICT教育。

小金井市立南小学校(東京)にお勤めの高橋雅子先生へのインタビュー。

はじまった2021年度、そしてGIGAスクール構想。

小田:2021年度がはじまり、あっという間にGWが目前となりました。今日は、高橋雅子先生にお話を伺います。
 それではまず、自己紹介をお願いいたします。

高橋先生:私は現在、小金井市立南小学校(東京)に図画工作の専科として勤務しています。勤務校では「ICT主任」という学校独自の役職も務め、ICTの環境整備などを担当しています。

小田:早速ですが、今年度の入学式はどのように実施されたのでしょうか。

高橋先生:入学式は人数制限を行い、入学児童とその保護者、教員だけが参加しました。特に保護者の方は1家族につき2名までとして、1名は体育館で式を直接ご覧いただき、もう1名は配信用の教室から、ライブ配信で見ていただきました。

小田:体育館内での参加者間の距離をしっかり確保しようと思うと、別教室で、配信にて式をご覧いただくのは納得です。
 ライブ配信の設備をどのように整えられたのか、気になります。

高橋先生:小金井市では、昨年度のうちに1人1台Chromebookが配布されていました。そのため、ライブ配信では教員用のChromebookを使い、Zoomで体育館と各教室をつなぎ、配信を行いました。先月の卒業式でも同様の方法を採用したのですが、その際はいくつかのカメラを設置、それぞれのアングルの工夫が必要だったため苦労しました。他の公立学校では通信が止まってしまうというトラブルもあったようです。一生に一度のイベントのため、万全を尽くしますが、予期できないトラブルも鑑み、本校では保護者へのご案内も丁寧にして、ご理解いただけるように努めました。

小田:保護者の方にもご理解をいただきながら、みなさんで気持ちよく式を執り行うことは大切なことだと感じます。
 さて、現在の学校内での感染症対策について教えてください。

高橋先生:基本的にはまずマスクの常時着用と、手洗いうがいを行っています。その他に、児童が触るトイレやドアの手すり等のアルコール消毒を徹底しています。
 授業内容については、対面でうまくディスタンスを取りながら工夫してできるところの線を見極めながら実施したり、単元によってはオンラインも組み合わせたりしています。また、体育の授業で球技を行う際、ボールの共有は避けることが望ましいので、リフティングなど、個人でできる範囲までの学習に徹しています。
 ICTの活用については、昨年度1年間をかけて「明日から休校です」という状況がいつ起きても対応できるように準備してきました。教員研修はもちろん、子どもたち自身が端末を使用できるように最低限のベースアップを図ってきました。やはり児童、保護者、教員等、どこから感染拡大するかわからない状況が続いているので、不測の事態を想定して準備しています。具体的には、簡単なログイン用の資料を作成して、学校のHPにアップロードしたり、子どもたちが自宅からでもアクセスできるようにしたりしてきました。

小田:「いつか」に備えて準備を進める点では、まさに避難訓練と同じですね。
 今年度の行事についてはどのような予定になっているのでしょうか。

高橋先生:年間行事予定としては、現在すべて実施する想定で、準備は進めています。ただし、刻一刻と事情が変わっており、今後中止しなければいけない行事、あるいは工夫して実施できる行事などの検討がなされていくと思います。
 中止にするのは簡単ですが、可能な限り子どもたちに体験の機会を提供したいと考えています。いま、それが教員に求められていることではないかと思います。

小田:GIGAスクール構想について、先生の学校での様子はいかがでしょうか。

高橋先生:新入生分や、進級した児童の端末について、ようやく設定が完了したところで、これから実際に活用を開始します。ICT環境整備の設計や使用マニュアルの作成などを行うGIGAスクールサポーター*のお力も借りながら、子どもたちと教員のツールになるようにしっかりと端末を運用するためのシステムづくりに取り掛かっています(子どもたちが安全に活用できるためのルール作りや教員研修等)。

*GIGAスクールサポーター
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_01007.html

餅は餅屋。「デジタルセカイの歩き方」実施の背景。

小田:さて、高橋先生にぜひお伺いしたかったことがあります。
 トレンドマイクロ株式会社様の「親子ワークショップ*」チームが開発されたワークショップ「デジタルセカイの歩き方」を、高橋先生の学校で実施されたとのこと。このワークショップは、私たちの生活を便利に、そして豊かにするデジタルテクノロジーの危険性や負の側面も総合的に見つめながら、幅広い他者との関わりの中で安全で健全な活用を身に付けることを目指して開発されたと伺っています。
 このワークショップを実施してみようと思ったきっかけを教えていただけますか。

*トレンドマイクロ「親子ワークショップ」
親子・子ども・保護者それぞれの視点での、安全で健全なICT活用促進およびセキュリティ啓発を目的とした活動
トレンドマイクロ「親子ワークショップ」の活動紹介
※クリックすると、Facebookページへ飛びます。

高橋先生:実はかねてから、ICT機器の活用促進をする中で、トレンドマイクロ「親子ワークショップ」チームの方にご相談をしていたという経緯があります。私たちは教育のプロですが、ICTのプロではありません。市から指示があった内容を学校で実施しようとしたときに、例えば個人情報の取り扱いなど、現場視点での課題をどうすれば問題なく進められるのか、第三者として専門家の意見をいただきたいと思っていたところ、偶然つながったのがトレンドマイクロ「親子ワークショップ」チームでした。

小田:偶然だったのですね!そこからどのように「デジタルセカイの歩き方」の実施に至ったのでしょうか。

高橋先生:私の図工の授業内でデジタル表現に取り組みたいと思っていたのですが、授業を通して機器が使用できるようになることに付随して、情報モラルに関する子どもたちの理解があることはとても大切だと感じました。そこで、デジタル表現に入る前にトレンドマイクロ様のお話を聞いておくことで、後々の指導がより有益になると思い、「デジタルセカイの歩き方」のワークショップを実施いただくことにしました。
 トレンドマイクロ「親子ワークショップ」チームとしても、開発されたワークショップを実際の子どもたちに実施いただくことで、その反応や学校側のニーズを回収いただく機会になるとも思いました。

小田:トレンドマイクロ様は、ウイルスバスターなど、セキュリティの最前線を走られている会社のイメージがあり、ITリテラシーや情報モラルという点でも、心強いパートナーに思います。

高橋先生:私自身、他校や他の自治体の事例を調べて情報を集めていましたが、専門家ではないことから「これで行きます!」という確信をもつことができないでいました。調べるだけでなく、やはり専門家と意見を直接交換していくことで、ここまでは自分でできること、ここはできないことなど、自分の判断に自信がもてるようになりました。
 何か新しいことをしようとしたときには、教員も保護者も教育委員会も、誰しもが納得するような根拠に基づいた説明が必要です。今回は、トレンドマイクロ「親子ワークショップ」チームのもつ専門性が重要な鍵でした。

自分の立場と他の人の立場。多角的な視点で情報モラルを学ぶ。

小田:「デジタルセカイの歩き方」はどのような内容だったのでしょうか。

高橋先生:まず身の回りにあるコンピューターについて考えてみるところからスタートし、時代とともにコンピューターは進化していること、人がよりよい暮らしをして、より豊かになるために技術の進歩がみられる一方で、ネット犯罪やいじめなどが起きていることも子どもたちと共有されました。
 では、これからみんながインターネットを使うとき、何に気をつければいいのか考えてみよう、というようにストーリーに基づいた検討をしていくスタイルへつながっていきました。具体的には、「もし自分がSNSにダンス動画を投稿したらどうなるか」というテーマについて、多角的に考える時間になりました。「多角的に考える」というのは、投稿した本人や投稿を見た人など、色々な立場を想像して、投稿をした後どんなことが起こり、それに対してどうすればよいかなどをみんなで考えました。

小田:とても面白そうです!

高橋先生:実際にやってみると、子どもたちからは前向きな意見がたくさん出てきました。子どもたちにとってものすごく身近なテーマだったわけではないのですが、SNSに投稿するとこんなことも起こるのかな、という一通りの流れを想像することができたのではないかと思います。
 このワークショップを実施いただいた側としては、ここでの体験が種になって、いつか花開くことに期待したいと考えています。例えば、Chromebookを使用しながら学習をしているときや、図画工作に限らず、デジタル表現をしているときなど。

小田:その場で完結する学びだけでなく、先を見越した学びの機会を提供することの大切さを感じますね。

高橋先生:そうですね。機会の提供はとても大切だと思っています。ただし、その先は子どもたちが自分で考えなくてはなりません。こうだからSNSを使わないようにしよう、あるいはもっと使っていこう、ということではなくて、自分はどうしたいのか、みんなと一緒にどうしたいのか ということを考えるきっかけを提供することが大切なのではないかと考えています。学校はセキュリティ的にも守られている場であり、それはある意味、学校はたくさん失敗できる場所でもあります。自分で考えたことをやってみて、ブラッシュアップし、どんどん自信をつけていってくれたらいいなと思っています。

小田:ワークショップを今一度振り返っていただき、他にも良かったことはあるのでしょうか。

高橋先生:このワークショップがキャリア教育にも貢献することができたかもしれないという点は良かったところだと感じています。授業を担当してくださったトレンドマイクロの方が、普段はどんな仕事をしているのか、あるいはどうしてその仕事を選んだのかなど、学校の中ではなかなか出会わない方からお話を聞く機会がもてたことは、子どもたちにとって興味のあることだったようです。これは思わぬメリットでした。

小田:ワークショップ「デジタルセカイの歩き方」に関する問い合わせ先として、トレンドマイクロ「親子ワークショップ」チームよりメールアドレスをお預かりできましたため、この記事をお読みいただいている全国の先生方の中でご関心をお持ちの先生がいらっしゃいましたらば、以下までご連絡ください。

トレンドマイクロ 親子ワークショップ
workshop_info@trendmicro.co.jp
※ご連絡時は、件名を「POWER FOR TEACHERS」としてください。

全国の先生方へのメッセージ

小田:最後に、全国の先生方へ一言メッセージをお願いします。

高橋先生:今まで色々な活動を通して感じたことは、できるにしろ、できないにしろ、とにかく目の前のことを1つ1つ、着実にこなすしかないということです。
 未だにコロナによる大変な状況が続いてることから、子どもたちの明るい未来のために奔走し、自らをすり減らしている先生方も多くいらっしゃると思います。ただ、すり減っているのは教員だけでなく、子どもたちや保護者、地域の方もそうです。誰もが疲れていますし、みんながみんな普通ではない状況にあります。そんな中でも、目の前のことを着実にこなしていけば、何かができたときは達成感もありますし、子どもたちからのリアクションもあります。
 私の場合、例えば昨年度は展覧会をやらせてもらいましたが、その際、保護者の方や他の先生方など、周囲の理解や共感も得られ、何とか頑張ることができました。私たち教員の目の前にいるのはやはり子どもたちです。子どもたちのことを思うと、自分の限界はありますが、それでも目の前にあることをしっかりやりきって、子どもたちには色々と経験させてあげたいなと思っています。

小田:高橋先生、今日はありがとうございました。

話し手

高橋雅子先生 … 小金井市立南小学校(東京)の図画工作科教諭。ICT主任。

聞き手

小田直弥 … NPO法人東京学芸大こども未来研究所専門研究員。

ライター

福島達朗 … NPO法人みんなのことば事務局長、部活動指導員(渋谷区, 吹奏楽)、フリーランスのステージマネージャー

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