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2020.07.10 Fri

新小学1年生とZoom授業。育休取得では教育の基本を実感。

静岡県の小学校にお勤めで、6月から育休を取られたY先生(男性)へのインタビュー。

育休の取得、復帰後の教育現場

小田:今回は、静岡県の小学校にお勤めのY先生にお話を伺ってまいります。はじめに、コロナの影響による休校が発表された当時のことを教えてもらえますか。

Y先生:まさか休校になるとは思ってもいなかったというのが正直なところです。「明日から怪しいんじゃないか」という空気感を感じた始めたころ、「今日から休校です」とスピード感をもって展開していきました。休校期間に入ってからは、子どもたちへの対応としては残っている課題の郵送を行い、卒業式については保護者ならびに教員のみの参加で実施をしました。

小田:Y先生は現在、育休をお取りになられているとのこと。取得の背景や、変化の激しい教育現場に今後復帰をしていく視点からのご意見を教えてもらいたいです。育休はいつ頃からご検討されていたのでしょうか。

Y先生:昨年度の12月には育休を取りたい旨を校長に伝えており、6月1日から育休に入りました。復帰は来年の4月1日を予定しています。

小田:育休取得について、ご苦労もあったのでしょうか。

Y先生:私の場合は育休の取得を予め検討していたことと、勤務校も育休を取りにくい環境ではなかったため、特段の苦労はありませんでした。一般的には給与が減ることへの不安があると思いますが、個人的には、それ以上に大きなものを得ている実感です。

小田:今年度に入ってから育休直前まで、学校ではどのような役割を務めていらしたのでしょうか。

Y先生:私は育休が決まっていたので、今年度は担任のクラスは無く、1年生クラスの補助を担当していました。

小田:この数か月を振り返るだけでも、オンライン授業の実施、分散登校、一斉登校が始まり、密を避けるような新しいスタイルでの学校の在り方が言われるなど、これまでにはない対応を求められる場面が多かったように思います。今後さらに、新しい学校の在り方が模索されていくこともあるかもしれません。来年4月に復帰をされるお立場から、このような教育現場の変化をどのようにご覧になられているのでしょうか。

Y先生:オンライン授業がもしあのまま続いていれば、この先への不安を感じていたかもしれません。ただ、今はもう学校に子どもたちが戻ってきたので、復帰時には新しい学校様式への対応は必要かもしれませんが、大きな不安は感じていません。引き続き、ニュースや教員同士のメール等から現場の情報は確認をしていきたいと思います。

新小学1年生×Zoom

小田:育休に入られるまでは1年生クラスの補助に入られていたとのことですが、オンライン授業もご担当されていたのでしょうか。

Y先生:Zoomを使用したオンライン授業を担当しました。

小田:小学1年生の授業をZoomで実施!まだ学校に通ったことがない子どもたちを相手に、そして子どもたち同士もお互いのことをほとんど知らない状況での授業というのは様々な困難があったかと思います。

Y先生:授業を受ける手前の問題として、例えば操作についてですが、子どもだけではアプリを立ち上げるということも困難で、最初は保護者の方につきっきりでご対応いただきました。

小田:授業の様子はいかがだったのでしょうか。

Y先生:長いお休みを経ての授業だったので、「おうちモード」の子が多かったという印象です。オンライン授業を開始した当初は保護者の方がそばについてくださっていたこともあり、画面からいなくなってしまう子はいなかったのですが、どうしても子どもたちは自宅から授業を受けることになるので、次第に、弟と遊びはじめる子も見られました。

小田:「着座している/いない」ではなく、「画面上にいる/いない」という方向に発想をシフトしなければいけないと改めて感じました。全く新しい授業形態に切り替えざるを得なかった分、Zoomの特性も考慮しつつ、ご指導についても試行錯誤があったかと思うのですが。

Y先生:「〇〇くん、いるかな~?」と声かけを通して、子どもたちに前向きに参加してもらえるような工夫はしていました。その他にも、集中しない子をただ「しかる」ということはあまり効果が期待できないので避けること、教員が話す時間はなるべく短くして、子どもたちの作業時間がたくさんとれるような授業スタイルにすることは教員同士で共有していました。実物がいない”オンライン”という授業形態において、子どもたち全員が集中して授業を受けられるためには今後さらなる検討を要すると感じています。

小田:オンライン授業の実施について、保護者の方からのご意見等もあったりしたのでしょうか。

Y先生:保護者向けのアンケートでは回線に関するご意見が多かったです。その次に、授業中の集中力が持続しないことについて「どのようにすればよいでしょうか」というようなご質問が多かったです。

小田:画面からいなくなってしまえること、追いかけて席に連れ戻すこともできないオンラインでの指導法について、今後、早急な研究に期待したいです。子どもたちの主体性にいかに働きかけることができるのか、そこが問われている気がします。

「オンラインで授業ができた」という経験

Y先生:コロナからの学びを挙げることができるとすれば、「オンラインを活用することで授業ができる」ということに私たちが気づくことができたことだと感じています。今、現場は一斉登校が再開し、少しずつ”かつての学校”のスタイルに戻ろうと努力しているように思います。今回の学びを前向きに捉えようと思うと、台風等の臨時休校時の授業提供ができるようになるのではないか、通学に困難を抱えている子どもたちにも授業が提供できるのではないか、という拡がりも見えてくるような気がします。

小田:オンライン授業については不登校の子どもたちが参加できたという点で評価されているところもあります。

Y先生:ただ、どうしても現場は忙しくて、可能性があると分かっていても手が回らないのが現実だと思います。タブレット端末配布の動きに対して、ICTの活用は進み、せっかく使えるのに、忙しさゆえに”かつての学校”に戻ってしまうのはもったいない。このようなジレンマがあります。

小田:Y先生のもどかしいお気持ちやご意見について、とても共感します。このようなジレンマを、先進的な取り組みをされている企業やNPO等と共有しながら、新しくも、現実的な可能性につなげていきたいです。

全国の先生方へのメッセージ

小田:最後に、全国の先生方にメッセージがあればお願いします。

Y先生:始まったばかりの育休期間ですが、教育の基本を実感できるような時間を重ねることができています。これからの先生にも、育休の活用を検討いただきたいと思います。

小田:Y先生、大変お忙しい最中にインタビューへのご協力をいただき、ありがとうございました。

話し手

Y先生 … 静岡県にて小学校教諭。2020年6月より育休中。

聞き手/ライター

小田直弥 … NPO法人東京学芸大こども未来研究所専門研究員。

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