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2020.10.30 Fri

潜入レポート:世界各国の先生と教育について考える場

株式会社With The World主催「第6回世界先生会議」(10月17日)の潜入レポート。

 今回は、「第6回世界先生会議 理想の教育~課題解決型学習(PBL)の現状と将来の展望~」(主催:株式会社With The World)に参加させていただきましたため、その内容をレポートします。
 まずはじめに、レポート記事の公開についてご快諾をいただきましたWith The World様には心から感謝申し上げます。
 「世界先生会議」は、「世界各地の先生方が現状やアイデアを交換しあい、これからの教育について考える場を作りたい」という思いから開始されたオンラインプログラムとのこと。今回参加されたのは日本を含む全15か国、担当教科も会計、化学/科学、生物、英語、地理学、フランス語、数学、歴史、物理、社会科学、情報テクノロジーなど、バラエティ豊かな計45名の現職の先生方。「課題解決型学習(PBL)の現状と将来の展望」に焦点を当て、学校現場における課題解決型授業の重要性についてオンラインでの意見交換が行われました。

当日の流れ。

 大きく2つのセッションが準備されていました。Zoomに集まった先生たちは、まず5名程度のグループに分かれ、約20分間のグループディスカッションを行い、その後メインルームに再び集合して全体でのアイデア共有を行う、という流れを繰り返しました。
 各セッションのテーマは以下の通りです。

セッション1:~課題解決型学習の意義とは?学校現場での実際の取り組みにはどんなものがある?~

セッション2:~理想の課題解決型学習とは?~

生徒の好奇心を引き出し、”主体的な思考”を促すことが重要。

 セッション1では、生徒が自ら問題を発見し、解決していく経験を通して知識を得たり、身につけたりしていく教育法である「課題解決型学習(PBL)」が、なぜ重要または必要とされているのかについて話し合われました。
 あるグループ内(ポーランド、パキスタン、インド、日本等)では次のような意見が出ました。

先生A(インド):PBLは生徒たちにとって、人々が抱いている現在の状況を知っていく助けになると思います。生徒によっては、課題に対しそのままほったらかしにする子もいれば、自ら解決策を見つけ出す子もいます。ただ、少なくともとても初歩のレベルで彼らは一個人としてどのようにその課題に貢献することができるか考えることができます。なぜなら、インドの民主主義について話すとき、彼らは社会自体を変えることはできません。一方で、初歩的な個人の立場においては、彼らは間違いなく変わることができます。

先生B(パキスタン):PBLは学習の初期段階で使われます。PBLでは生徒が自ら調べ、考え、答えにたどり着きます。この一連の思考は彼らの日常生活にも置き換えることができると思います。

先生C(日本):PBLは生徒の主体性を発揮するのにとても有効です。また実際に取り組んだ内容を日常で起こる他の課題に置き換え、活用していく力を養うことができると思います。

 国籍や指導教科は様々でありながらも、複数の先生が共通して、PBLは初期段階で生徒の思考や学習の手助けとなること、そして、いかに生徒が自主的に考えることができるかが重要であるという意見をもっていました。また、PBLが生徒たち自身の日常生活にも応用可能であるという意見も、同じく共通して実感されていたことはとても興味深い点でした。
 グループごとのディスカッションの後には、全体での意見共有が行われました。そこで出た意見を、以下にて一部紹介します。

生徒同士のコミュニケーションを促す。

 セッション2では、PBLのあり方、PBLが社会にどのように貢献できるか、実際のPBLの実践などについて、意見交換が行われました。あるグループ(インド、ポーランド、ベトナム)では次のような意見が出ました。

先生D(インド):PBLは生徒に有益なものをもたらしてくれると思っています。生徒は「何を学ぶべきか」ということを学びます。またPBLは批判的思考、チームワークやコミュニケーションを学ぶのにとても有効です。新しい世代に変わるたびに、新しい解決策を考えなくてはなりません。PBLを通して、新しい解決策をもたらすことができると考えています。

先生E(ポーランド):私は普段、障害のある子どもたちと一緒に過ごしています。私のクラスには15名が在籍しています。ポーランドの先生たちは、本を読んだり、ものを書いたりすることに重点を置きますが、私はそれだけでは不十分だと思っています。私はまずクラスに行ったときは、新聞を読むことや本を読むことはせずに、みんなといろいろなトピックについて話をします。写真や資料を使うこともありますが、みんなと一緒に話すことが大切だと感じています。お互いに話すことによってコミュニケーションをとることが大事だと思っています。

先生F(インド):私もポーランドの方(先生E)と同じく、お互いに話をすることによってコミュニケーションをとることに重点を置いています。またPBLにおいては、生徒たちは自ら探求することによって答えを見つけ出します。その意味でPBLはまさにSelf-directed study(自己探求型の学び)と言えるのではないでしょうか。

 複数の先生からコミュニケーションに関する発言が見られたのが印象的です。実践としても、生徒と会話によるコミュニケーションをとることを重視している先生もいることから、課題解決型学習においてコミュニケーションの重要性が明確に感じられます。
 全体での意見共有で得られた意見については、以下にて一部紹介します。

 全体を通して積極的な意見交流がなされ、最後には写真撮影にて会が閉じられました。

総括

 通訳があるという安心感があるからこその90分とは思えない内容の濃さ、日本時間で土曜20時~という参加のしやすさ、安価な価格設定による気軽さ等、様々な面から「世界先生会議」の魅力を感じることができました。そして、文化や制度が全く異なる学校現場でご活躍されている先生方との意見交換からは、日本人同士で理想の教育を語り合うのとは一味違う、クリエイティブな喜びも感じました。  いま、コロナはもう一度、特にヨーロッパで猛威を奮い始めました。世界の様々な先生とつながり、情報交換ができる場をもつことは、今後ますます有用さを増すことと思います。次回は11月21日(土)とのこと、ご自宅から世界先生会議を覗いてみてはいかがでしょうか。

レポーター

名嘉眞静香 … 東京学芸大学中等教育教員養成課程音楽専攻、4年次在籍。

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編集長
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