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2020.10.09 Fri

潜入レポート:福岡教育大学附属福岡小学校の充実した学習講座!!

福岡教育大学附属福岡小学校が9月23日に開催したオンライン講座の潜入レポート。

 今回は、福岡教育大学附属福岡小学校(以下、福岡小)が開催した「G suite for Educationとクロムブックを使ったハイブリッドな学習講座」に参加させていただきましたため、その内容をレポートしたいと思います。
 まずはじめに、福岡小様には、レポート記事としてのご紹介の承諾と、当日参加できなかった方のために資料公開にもご快諾いただき、本当にありがとうございます。
 今回の学習講座の内容は、①You Tubeによる学習公開と②相談会がセットとなったものでした。そこで私は、①の学習公開については主に社会科の授業をYou Tubeを通して拝見させていただき、②相談会は社会科の授業をご担当された齋藤先生が主催されたものに参加をしてきました。以下、その内容を、要点を絞ってご紹介させてください。

You Tubeでの学習公開 - 6年生の社会科

 今回は6年生の社会科の授業(授業者:齋藤淳先生)を観させていただきました。「長く続いた江戸時代~町人文化と新しい学問~」(小単元)において、「江戸時代はよい時代といえるのだろうか」という問いに対して、子どもたち一人ひとりが自分たちの考えを根拠と共に発表し、討論していくような授業でした。
 ここでは、授業全体の概説というよりは、ICTが活躍していた場面に着目して、お届けしたいと思います。

 子どもたちは一人一台クロムブック(Chrome OSという、WindowsでもMacでもないGoogleの独自OSを搭載したコンピューター)を持ち、予めGoogleクラスルームで配布されたスライドのテンプレートを土台に、自分の考えをまとめていました。自分の考えの根拠となるものは、教科書や資料集の他、Google サーチを使う児童も増えてきたとのことです。子どもたちのタイピング速度には個人差がありますが、非常にスムーズな入力ができている子も見受けられました。
 子どもたちは、自分の力で作成したスライドを教室前方にある大きなモニターに映しながら、順番に「(江戸時代は)よい時代であったといえる」「(江戸時代は)よい時代であったといえない」について、自身の考えをプレゼンテーションしていきました。文化や学問、政治、経済など、多岐にわたる観点からの主張がなされ、その後の議論もまさに活発そのものでした。
 子どもたち同士で意見を交流させる場面には、複数人が同時に共同編集できるGoogleドキュメントが活用されていて、コロナ禍において、グループ活動のような密となる活動形態が制限されている中でも、効果的に意見交換をし、それでいて意見は全て記録されていくという効率性の高さを感じました。タイピングの得意・不得意には個人差がある一方、Googleドキュメントは音声入力もできるため、子どもによっては自分にできる方法を選択して、授業に前向きに参加している様子も見受けられました。

 授業の映像全体を通して、子どもたちの生き生きとした発表の場面や、資料作成や意見交換に集中している場面が多く、子どもたちが「問い(江戸時代はよい時代といえるのだろうか)」に対する議論へと集中できていたと感じました。その要因として、子どもたち一人ひとりの「書く」作業の時短が図られたこと、発表を見る側として、発表ごとにフォントや文字の大きさはほぼ変化がなかったことから、「何が書かれているのか」という内容面に焦点化しやすかったことが考えられました。子どもたちが学びに集中するギミックとしてのICT活用を感じました。

相談会当日の流れと資料

 日本全国から延べ307名の方が参加をされたとのこと。その内容は「G suite for Education」や「クロムブック」に関する基礎的なものから、導入に至るまでのロードマップ、職員研修やドメイン設定などの環境構築に係る問題とその対処、取組の紹介…と続きました。
 当初は、それぞれについてご報告をしたいと思っていたのですが、ありがたくも、当日配布資料を、本記事中でもご紹介させていただけるとのご厚意をいただきましたため、以下リンクより直接資料をご覧ください。

相談会当日資料はコチラからご覧ください。

相談会当日の質疑応答

 当日の質疑応答も大変勉強になるものでしたため、ご質問された方のお名前は伏せさせていただきつつも、その一部をご紹介させてください。

Q. デジタル化によって紙媒体での記録が無くなってしまうと思います。その場合、学びの跡(ポートフォリオ)を保護者と共有するのが難しくなると感じています。対策を教えてください。

A. 紙媒体としては、子どものノート記録が残っている他、単元の終わりには、単元全体を貫く問いに対する自分の答えを「学びの道標」(A31枚)にまとめるようにしています。それを保護者と共有するようにしています。また、Googleクラスルームについても、保護者が子どもの提出課題やそれに対する先生のコメントを見ることができるようです。導入されているところはまだ少ないようですが、こちらの可能性も検討が可能と考えています。

Q. 導入を検討していくにあたって、機材の保守の方法が気になっています。現在の機材の管理方法や、もし破損の例があれば教えてください。

A. 保管については、クロムブックはソフトケース(クロムブックとは別途で購入)に入れ、買い物かごでまとめて保管しています。子どもが自宅に持ち帰る際には、クロムブックはソフトケースに入れ、それをカバンに入れるようにしています。破損については、数か月使う中ではありますが、ほとんどありません。ただ、お茶がこぼれてしまい動かなくなったことや、画面にひびが入ったという例が1,2件ありました。こうした事例に対する補償については今後検討をしたいと考えています。

Q. 授業の様子を拝見し、子どもたちのスライドがとても作り込まれていることを感じました。その分、スライドの作り方やパソコンの使い方に関する指導も時間がかかったのでしょうか。

A. スライドの使い方をしっかり教えるという時間は取れませんでした。そのため、実際に作業をしながら、必要に応じて指導を行っています。スライド作りを取り入れた当初は、ノートを写真に撮って、それをスライドに貼りつけるという子もいました。それでも良いと伝えているのですが、一方で良例も示すことで、子どもたちはだんだんとスライド作りが上達してきました。

まとめ

 私が参加させていただいた相談会の総括として、齋藤先生は、子どもたちにさせてみると意外とできたという実感をお持ちであることや、教員にとっての新しい発見もあることをお話しくださいました。
 今回の学習講座では、子どもたちがクロムブックを使って学びに集中できている様子や、非常に細かな手続きを経てクロムブックやG suite for Educationが整備されていった背景を知ることができ、導入から実践までの大きな流れを知ることができました。現在、この分野の情報においては、活用事例が目に付くことが多いと感じていますが、実際に各学校がどのように導入していったのか、どのように具体的な整備をしていくのかということは、すぐに参考できるたたき台となりうると感じています。資料中には、インターネット環境の配備や家庭環境の格差、教員が使いこなせるまでにどれくらいの時間がかかるのか、成績の処理の仕方等、参加者より事前に寄せられた質問について回答が付されています。ぜひ、こちらもご一読ください。

ご案内

 最後に、福岡小は令和3年2月19日(金)、20日(土)に「教育研究発表会」を開催されるとのことです。方法は、直接参加とオンライン参加のハイブリッド型での実施を想定されているとのことですため、今回の学習講座同様、全国から気軽に参加できます。こちらも併せてご確認ください。

レポーター

名嘉眞静香 … 東京学芸大学中等教育教員養成課程音楽専攻、4年次在籍。

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編集長
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